社員を大切にする会社とは
10月19日に山梨県プロフェッショナル人材戦略拠点主催のセミナーに参加して来ました。
講演のテーマは「人口減少時代を勝ち抜く人材活用〜ミドル世代の採用から戦力化まで〜」で、講師は株式会社minitts の代表取締役である中村朱美氏でした。同社は、京都で一日100食限定のランチ営業をしている「佰食屋」で有名です。中村さんの経営手法や人材活用の斬新さで、ガイアの夜明けにも取り上げられています。
中村さんはいくつかの大学での講義もされていますので、発信力は抜群でお話に引き込まれました。その中でも私が特に印象に残ったのは、佰食屋の採用にまつわる話です。
①採用媒体はハローワークのみで、ハロワの紹介状提出を必須にしている。
②面接時はスーツではなく、普段の服装着用をお願いしている。
③面接日に勤務している社員に応募者の印象を聞き、採否判定している。(事前に、当日勤務の社員にお迎えやお茶出し等の応募者と接触する役割を決めているようです。)
①は、ハローワークに行って紹介状をもらう面倒くさいことがちゃんとできる人か。
②は、普段着の服装から応募者の雰囲気を感じるため。
③は、今いる社員がその方をWelcomeで受け入れられるか。
採用選考の評定項目として、この3つの全てに納得できますが、私が特に新鮮さを感じたのは③です。
最近になって「心理的安全性」という言葉をよく耳にするようになりましたが、これまでは切磋琢磨という考えで集団の中に「競争」が生まれる風土づくりを目指す会社が一般的であったと思います。中村さんは、今の流行りに合わせて方針転換をされた訳ではなく、とうの昔から競争よりも安心感に重きを置いた経営を実践されていたのです。
この2つの考え方のどちらが正なのかと考えていた時、「自分を大切にできない人は他人を大切にできないよ」という言葉を思い浮かべました。中村さんにとって、会社は自分であり、会社の中で働いてくれる社員も自分であるように思いました。
今、働いている社員(自分)を大切にしている会社だから、新しく入って来る人(他人)も大切にできることには合点がいきます。
(中村朱美さん関連の参考URL)