「組織で働く人へのメッセージ:心理的安全性と愛を考える」

先日、K地裁で行われた地位確認等請求訴訟の民事裁判を傍聴しました。地位確認請求とは、解雇などにより雇用契約が終了した労働者が、事業者に対して「現在も労働契約上の地位がある」ことの確認を求める手続きです。私が傍聴した裁判では、原告が所属していた職場の先輩と上司に対する口頭弁論が行われていました。

この裁判を通じて改めて感じたのは、職場でのOJT(職場内教育)における「愛」の大切さです。これは、近年注目されている「心理的安全性」とも深く通じるものがあります。

「自分が好きになって入社した会社だから、職場の人間も好きになれる」あるいは「自分と同じようにこの会社を希望して入社された方だから、話が合うだろう」という考えは、必ずしも現実的ではありません。

―私がサラリーマン時代には、仕事において「好き嫌いは関係ない」とよく言われましたし、私自身もそう口にしていました。それがあたかも真理であるかのように。―

相手が自分のことをどう思っているかという空気感は、誰もが敏感に察します。自分のことを分かってくれない、あるいは分かろうとする気持ちが感じられない相手からの言葉は、心に響きません。一方で、自分に愛情を持って接してくれる人の言葉は、それが厳しい叱責であっても素直に受け止めることができます。前者は悪魔のように感じられ、後者は神のように見えることさえあります。

しかし、組織に属する以上、自分にとっての神と悪魔を自由に選ぶことはできません。組織で働くということは、こうしたリスクを背負うことでもあります。

では、このリスクに対して個人はどのように対処すれば良いのでしょうか。
私が考える一番大切なことは、「自分だけで抱え込まない」ということです。同僚や上司、人事担当、家族、友人、誰でも構いません。もし相談できる相手がいないと感じた場合は、このサイトの「予約ページ」から初回無料相談をお申し込みください。あなたの荷物を一緒に軽くするお手伝いをさせていただきます。

さらに、自分の思いを伝える際には、「価値自由」(マックス・ウェーバー)の考え方をお勧めします。「事実(何があったか)」と「評価(どう感じたか)」を分けて伝えることで、自分の価値観を一方的に押し付けることなく、より建設的な対話をすることが可能になります。この方法により、自分も相手も中立な立場に立つことができるのです。

今年も残りわずかとなりました。一年間本当にお疲れさまでした。この一年間頑張って生き抜いてきた自分を、どうかたくさんほめてあげてください。そして新しい年を迎える準備として、心と体をゆっくり癒す時間を大切にしてください。

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